京都精華大学

好き、どこにある?

05.
マンガ学部の先輩

杉原秀悟さん

マンガ学科 4年生。中学3年からマンガ家を目指し、現在は担当編集とデビューに向けた制作をおこなっている。

マンガ編集者からの講評で
芽生えたプロ意識

カルチャーショックを受けたのが2年生での授業。はじめて現役のマンガ編集者さんに作品を評価してもらいました。“マンガを売る側”からの視点で、自分のマンガの良い点と直すべき点をズバッと言われて。自分では考えもしなかったゴール設定も的確に指導していただき、まさに目からウロコでした。それまで自分の好きなように描いていたのを見直し「プロとして売れる作品をどう作るか」を強く意識するように。マンガ家への道が一気に現実味を帯びました。


商業マンガ制作に必要な演出技法と絵画技法を学ぶとともに、SNSを使ったマーケティングの基礎の習得と実践をおこなう授業。

[科目名:脚本実習/2年次]

100個の質問でキャラの
魅力を掘りおこす

ためになったのが、自分の性格とは真逆のタイプのキャラクターを作って、そのキャラの気持ちで100個の質問に答える課題です。たとえば「無人島にひとつだけ持っていくとしたら?」という質問。「ナイフ」と答えたのですが、先生から「もっと極端じゃないとキャラの魅力にならない」と指摘され、浅さを痛感しました。実際に設定を深くできるようになると、それぞれの動きにリアリティが。ストーリーの展開も、こんなに考えやすくなるのかと驚きました。


完成度の高い作品を生み出すための基礎として、マンガ作品の根幹を担うキャラクターについて考える授業。自身の創り出したキャラクターを生き生きと動かすにはどんな考察や表現が必要か、現役マンガ家である教員から学ぶ。

[科目名:マンガ基礎実習/2年次]

映像をマンガに、
取捨選択の術を知った

マンガという限られたページの中で情報の取捨選択がいかに大事かを考えさせられたのが、映画のワンシーンをネームにする授業。私はアメコミ映画のバトルシーンを選んだのですが、たった30秒のシーンもネームに起こすと6ページぐらい簡単に使ってしまい…。キャラクターの動きをしっかり捉えるため、まずは動きも含めたシーンをすべて文字に起こし、どこを切り取ると漫画ならではの迫力が出せるかを思案しました。情報量の絞り込みがマンガ制作の肝だと知った経験です。


魅力的なキャラクターを創作し、生き生きと動かせるテクニックを会得する授業。知人や周囲の人、映画やドラマ、マンガから、人の心を惹きつける個性を分析し、キャラ作りのポイントを学ぶ。

[科目名:マンガ応用実習/3年次]

偏愛をさらけ出す授業で、
マンガづくりの極意に気づく

自分自身についてプレゼンする授業で「実は〇〇が異常に好き!」がテーマに。今まで誰にも話したことのない偏愛だったので、話す前は不安でいっぱい。でも自分の偏愛ぶりを話して、周りが肯定してくれた瞬間に「これ、マンガにしてもいいんだ」と思えました。作者の「好きすぎる情熱」が前面に出てるマンガって、個性が爆発してておもしろいことが多いんです。他の人とは違う感覚を武器にして、自分らしいマンガを描こうという勇気が出ました。


教員によるマンツーマン指導と専門知識の講義を受け、スケジュール通りにマンガ作品を完成させる授業。発想力やコミュニケーション力を養うレクリエーションや、現在クリエイターとして社会で働くゲストによる講義を行う。

[科目名:マンガ実践実習/3年次]

刺激的な大学生活で開かれたプロへの道

入学当初の私は周りに嫉妬ばかり、自分の作品を人に見せるのも怖いという感覚がありました。それが、4年間でいろんな表現を模索し、刺激を受けるなかで「人とは別の道でおもしろいものを描けば良い」というモチベーションに変化したんです。現在、担当編集者さんについていただいているのも、大学のキャリア支援による企画がきっかけ。プロのマンガ家になるための道筋を一つひとつ用意してもらえたので、授業で学んできたことを生かして、チャンスをものにしたいです。

マンガ学部の
その他の学び

基礎から学ぶ、アニメーションの仕組み

アニメーションのさまざまな基本ルールを学び、キャラクターを演出の視点からデザインする。その後、構図や画角について学修し、背景美術とキャラクターの関係性を深く理解する。

[科目名:アニメーション演出論]

マンガのストーリーとそのリアリティ

ストーリーの構成力と推進力、ふたつの力を通して、ストーリーテリングのおもしろさを学ぶ。「五感と記憶」「ホントと嘘」をキーワードにフィクションでのリアリティを考察する。

[科目名:脚本概論]

キャラクターの動きと心情を描写する

マンガやアニメ、ゲームにおいて、物語の進行役となるキャラクター。魅力あるキャラクターの動きと心情を表現できるようになるために、人体の構造を理解し、さまざまな動きや形をテーマにした課題に取り組む。

[科目名:動態描写技法]

メディアの変遷に合わせたデジタル作画力を鍛える

近年マンガを発表する場は紙媒体にくわえ、Webや電子書籍などのデジタルメディアに大きく広がっている。マンガ作成支援アプリ「CLIP STUDIO PAINT EX for iPad(iPad OS)」 でのデジタル作画法を習得し、あらゆるメディアに向けた作品制作をめざす。

[科目名:基礎デジタル演習]

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