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生活や社会を支える工業製品を生み出す

身近な日用品をはじめ、家電や乗り物など、生活や社会を支えるさまざまな工業製品を生み出し、明るい未来をつくる工業デザイナーを育てます。工業デザインの魅力は、自分の手がけたプロダクトが世界中に流通し、たくさんの人に使われること。授業では、プロダクトの素材、形、機能について学ぶほか、社会のニーズをつかむためのリサーチ方法や、アイデアを生み出す過程などについても学びます。加えて、3Dプリンターやライノセラス(3Dモデリングツール)など、新しいソフトやハードを使うスキルも身につけます。また、企業とのコラボレーション授業が多い点も特長。社会に求められるデザインを理解する力や、企画力、プロデュース力も養います。

科目PICK UP

  • まったく新しい「足袋」とは?ビジネスを意識して商品を開発。

    [2年]
    足袋メーカーとの連携授業です。日本の伝統的な履物「足袋」の新しい価値を創造することに挑戦します。目標は、単に商品の形をつくるのではなく、ビジネス全体を見渡してデザインをすること。試作と検証を重ね、説得力のある商品提案をめざします。

  • 企業との連携授業で、インタラクションデザインを考える。

    [3年]
    計測機器や医用機器などをつくる企業との連携授業です。テーマは「インタラクションデザイン」。人や社会とつながるデザインについて考えます。会社見学や社員とのディスカッションを行った後、出題されたテーマに沿った商品を開発?提案します。

4年間の学び

  1. 1年次

    FIRST

    プロダクトデザインの基礎造形力を身につける

    まずは商品スケッチを通じて構造や素材への理解を深め、立体物を造形。製図やグラフィックソフトなどの基礎技術も学びます。
    授業例:デザイン概論、デザイン史、スケッチ、基礎造形、デザインソフトスキル、文具デザイン、プロダクトカラー論、進化工芸 など

  2. 2年次

    SECOND

    デザインで課題を解決する

    家電製品などをテーマに、日常生活で発見した課題をデザインで解決する方法を提案。色が人に与える影響など、カラーデザインも学びます。
    授業例:ユニバーサルデザイン論、モデリング、Rhinoceros、PDグラフィック、UIデザイン、近代空間論など

  3. 3年次

    THIRD

    連携授業でプロに学ぶ

    企業との連携プロジェクトに参加。最先端の技術や利用者のニーズに応えるデザイン、商品製造の過程、プロモーションなどについて学びます。
    授業例:商品立案、産学連携、インタラクティブデザイン、アイウェアデザイン、感性工学、エマージェンシー、ロボティクス、モビリティデザイン、ユーザビリティ など

  4. 4年次

    FOURTH

    卒業制作を完成させる

    4年間で培った「ユーザーの立場に立ってデザインする力」を生かし、未来の社会を快適なものに変えるプロダクトデザインに取り組みます。

4年間で身につく能力

  • アイデアを現実にする発想力、スケッチ力、造形力
  • 利便性と美しさを兼ね備えた形を生み出す力
  • 社会や暮らしから課題を見つけ出す力

作品

施設

モデリング室

プラスチック版の加工や発泡材を加工する熱線カッター、旋盤など、立体物をデザインするための設備が揃っています。

PICK UP!

  • 最新の3Dプリンターとレーザー加工機が導入された先端加工室。デジタルデータをもとにした複雑な形状のものの成形や細部の加工、細かい部品の生成に活用することができます。

  • セラミックを用いた制作のためのセラミック室には、かたちをつくるためのロクロや、焼成のための窯が備えられています。

  • 学年ごとに設置された実習室でも授業を行う。

卒業後の進路

プロダクトデザイナーとして大手企業で活躍する卒業生が多いインダストリアルデザイン専攻。4年間で身につけた知識と技術が社会から高く評価されています。プレゼンテーションに力を入れているため、企画力、自己プロデュース能力が身についているのも、このコースの学生の強みです。

 めざせる職業
インダストリアルデザイナー、プロダクトデザイナー、UI?UX デザイナー、カラーデザイナー、商品設計、商品プランナー、デザインディレクター など
 
 主な就職先
自動車関連メーカー、家電品関連メーカー、先端機器関連企業、医療機器メーカー、文房具メーカー、アイウェア関連企業 など

取得できる資格

在学中、指定された科目単位を取得すれば、以下の資格を取得することが可能です。 その他、検定?資格取得のための支援講座も用意されています。

 高等学校教諭一種免許状(美術?工芸)
 中学校教諭一種免許状(美術)
 二級建築士(受験資格)
 木造建築士(受験資格)
 図書館司書
 博物館学芸員

VOICE

  • ソ ユジャクさん在学生

    夢は、世界で活躍するCMFデザイナーになること。

    昔から日本のアニメやマンガが好きで、高校生のころから日本のプロダクトデザインに興味をもつようになりました。京都精華大学を選んだ理由は、京都で学ぶことに惹かれたからです。伝統文化が息づく京都なら、日本らしいデザインの原点が学べるはず。伝統産業との連携プロジェクトが多い点も魅力的だと感じました。思い出に残っているのは、ペット用品メーカーとの連携授業です。そこでは、異なる考えをもつメンバーとチームを組み、ユーザーの意見を集めてニーズを探り、創造的で実用的な新製品を企画して、企業の方の前で企画の説明を行いました。商品開発のプロセスを実践的に学ぶことができ、幅広いスキルを身につけることができました。現在は卒業制作に取り組んでいます。プログラミングやセンサーの技術を駆使して、しっぽの動きで感情を伝える作品を制作中。言葉を使わずに豊かなコミュニケーションを行う可能性を表現したいと思っています。将来の夢は内定を頂いた自動車会社で製品の色?素材?加工方法を考えるCMFデザインの仕事に携わること。新しい素材や技術を駆使して、革新的なデザインを生み出すデザイナーになり、国境を越えて活躍したいです。
  • 平田 喜大教員

    自分のためではなく、人のためのデザインを。

    私の専門分野は、工業製品の使いやすさと美しさを追求するインダストリアルデザインです。研究を行うかたわら、自分のデザインオフィスで商品開発を手がけたり、福井県内の産業を活性化させる事業に携わったりしています。ものづくりに関わる者として、常に環境への影響を意識しながら、製品の隅々にまでデザインの効果を発揮させることをめざしています。この専攻の魅力は、企業とのコラボレーション科目が多いところ。伝統文化と先端技術が同居する京都で学ぶ意味も大きいと思います。専門性の高い専攻なので、在学中から自分の未来をイメージしやすい点も特長ですね。入学したら、世の中のできごとに関心をもつように心がけてください。商品の企画や開発は、時代を正しく読み解かなければ取り組めません。インダストリアルデザインは自己表現ではなく、大勢の人のために行うもの。だからこそ魅力があることを知ってほしいです。身の回りの製品に「もっと使いやすくならないかな」と感じる人、工業高校で学んだ専門技術を生かしたい人はもちろん、専門の知識や技術はなくても、向上心や好奇心に満ちている人も歓迎します。