在学生?卒業生

芸術研究科出身の迫 鉄平さんによる個展「パワーショットのエルドラド」が開催

 ©teppei sako 2025

芸術研究科後期博士課程芸術専攻 出身の迫 鉄平さんによる個展「パワーショットのエルドラド」が、京都市東山区のeN artsで開催されます。

迫さんは、スナップ写真のマナーをiPhoneで映像化した動画作品や、写真製版によるシルクスクリーンなどを用いて写真の“決定的瞬間”について考察した作品を制作されています。2015年の「Canon写真新世紀」ではグランプリ受賞のほか、多数の個展やグループ展へ出展するなど精力的に活躍するアーティストです。
 
本展では、「パワーショットのエルドラド」の為に撮り溜めた70,000以上のスナップ写真から選ばれたものを軸に、そこから創り出された写真及び映像作品が展示される予定です。ぜひご覧ください。



展覧会ステートメント


『パワーショットのエルドラド』は2022年8月に開始した、日々撮影したスナップ写真の一週間分を一度見返してその中から10枚を選定し、スクエアにトリミングをしたものを日記のようなテキストとともにInstagram上で発表するプロジェクトである。
 
「パワーショット」は普段のスナップ撮影に使用しているキヤノン製のコンパクトデジタルカメラの機種名で、2020年の4月から継続的に使用している。一方「エルドラド」は大童澄瞳著『映像研には手を出すな!』の作中で、主人公の浅草みどりおよび映像研の制作した4作目のアニメーション作品のタイトル『たぬきのエルドラド』から拝借している。「勧善懲悪」の否定というテーマにも共感を覚えたが、正直に告白すると、それ以上にその語感と耳障りの良さに刺激された。ハワード?ホークス監督作の『エル?ドラド』(1966年、パラマウント映画)は2024年8月23日に観たが、自分の取り組みとの接続ポイントは見出せず、映画自体もあまり面白くはなかった。
 
美大時代に版画を専攻していて、版画制作には兎にも角にも下絵(原画or原稿)が必要であるということ、それらが無いと制作は始まらないということを学んだ。所属する研究室の担当教員が毎日膨大な量のドローイングに取り組むと同時に、常にカメラを持ち歩きスナップを撮影する様子を間近に見ていた事からも多くを学んだような気がする。大学を卒業し、映像や写真を使って作品を制作していく中でもそのことは常に頭の片隅に引っかかっていて、それが日々をどのように消費するかという問いを立てることに繋がり、2020年3月13日に成立した188体育対策の特別措置法「緊急事態宣言」が、2020年4月7日に発出され13日から在宅勤務が命じられた際に、毎日外出してスナップ写真なり映像素材なりを撮影することを解答として日々の取り組みが始まった。
 
写真作品であれ映像作品であれ、作品の制作をスタートさせる際に、ストック素材が一定量あることとそれを見返すことに時間を費やすことで、自ずと自作への変化が現れた。2021年に制作を開始した「LCD Zombies」のシリーズも、2023年に制作を開始した「Slivers on the Window」のシリーズも、その基底にあるのは、スナップ写真とスナップ写真の組み合わせかたの問題でもある。
 
京都での8年ぶりの個展となる本展では、『パワーショットのエルドラド』の発表を続けている期間に撮影したスナップ写真(2024年12月15日時点で71,092枚ある)を中心に、それらを素材として制作した写真作品や映像作品、自費出版本『CHILL TOWN』の展示を予定している。「写真を見返すこと」がどのように作品に結実するのか、ご覧いただきたい。

迫 鉄平


●迫 鉄平さんInstagram(@teppei_sako
 

  • 日程

    2025年2月1日(土)~2月28日(金)
    休廊日 月、火、水、木

  • 時間

    12:00?18:00

  • 会場

    〒605-0073 京都市東山区祇園町北側627 円山公園内八坂神社北側
  • 出演?出展者

    迫 鉄平(芸術学部版画コース 卒業 / 芸術研究科博士後期課程芸術専攻 単位取得満期退学)

  • 予約

    不要

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京都精華大学 広報グループ

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